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読書三昧:ハラスのいた日々 中野孝次
ハラスのいた日々 (文春文庫)
中野 孝次 文芸春秋 売り上げランキング: 47831
おすすめ度の平均: 5.0
5 普通の、不変の、愛犬物語5 すべての愛犬家に5 犬好きのヨシミで推奨いたします。5 骨太の愛犬物語5 愛犬家の方へ


一匹の柴犬が子のない夫婦のもとにやって来た
掌にのせられ家に到ったその日から
抱かれ冷たくなったその日まで

犬を“もう一人の家族”として


あとで映画にもなったようです。犬好きには大きな共感を持って読める本。(私は、中野さんのワンちゃんに接する心もちを読んで以来、「この人の本なら安心してどこまでも読んで行こう」と思ったものでした。)

本の冒頭部分、「帯」にも引用してある箇所は;「・・生涯に犬を飼うときがあろうなどと考えたこともなかったわたしが、ひょんなことから犬を飼うはめになり、その犬が人生の後半生の十三年間、欠くに欠かせぬ大事な伴侶になった。この十三年間のわれわれの歳月にはその犬が中心にいた感じである。たかが一匹の犬ころがかくも大事な存在になるとは、まったく思いがけない次第であった。・・・」

どこもここも心に沁みるのですが、仔犬、成犬、老犬の三段階をパラパラ引用しよう。

「・・仔犬はなにをおいてもまず可愛らしい。・・親きょうだいから離されて淋しいのか、クンクン鳴く。そこで居間に入れてやると、ほうぼう嗅ぎ回ってからやがてごろんと横になった。その寝姿が、いじらしくもあり、愛らしくて、何度でもそばに寄って見ずにはいられない。・・」

「犬が自らの意思で自由に駆けまわるのを見るのは、それだけでも気持ちのいいものだ。相当な段差のついている分譲地を、どこまでいったかと心配になるくらい遠くまで疾走していって、また枯葉をなびかせながら駆け戻ってくる。わたしが掴まようとするふりをすると、右に跳ね左に飛び、逆にこっちをからかい挑発し始める。若くてエネルギーに溢れる犬は、いくら動いても面白くてならないらしかった。」

「犬が老いてゆくのを知るのは、人間が老いるのを見るよりも辛い。これはたぶん、犬にあっては人間よりも遥かに時が流れ、また喜怒哀楽自分の思いを伝える言葉を持たぬ存在だからだろう。若くて凛々しかった犬も、いつか日中のほとんどは日なたに寝て暮らすようになっているし、見れば目にはめやにがつき始め、骨格があらわになるほど、老いの徴候はいやおうなく現れてきている。そんな証拠を新たに発見するたびに、わたしたちは情けないような悲しいような気分にさせられたものだった。」

犬好きには絶対おススめ!!(ハンカチが要るかも・・。)

(家族の一員ザンス!)

| 雑文ザンス | ※読まずに死ねるか! | comments(10) | trackbacks(0) |
ザンス (2009/11/05 7:48 AM)
中野さんは、ハラスの死後、5年ほどは犬を飼うのはやめたが、また別の犬を飼い始めた。「「閑」(かん)のある生き方」に下記が出ている(P198-);

60台以後の楽しみとして、一、書。二、碁。三、酒。四、犬。五、読書。とある。

「犬」の箇所を少し長いが引用;

「老人夫婦だけの家庭は、何もなければ一日共に同じ家の内にいても、口を利くことが実に少ないものだ。話しても短い単語のやりとりぐらいだがで、一日中しんとしていることが多い。つまりさびしくなりがちだということで、最初の犬ハラスの死後五年犬を飼わずに通したあいだに、そのことを痛感した。 しかも老人はとかく一人で散歩はしにくいもので、出歩かなくなるから、その間に僕の脚力はあきれるほど衰えた。ぞっとしてまた犬を飼いだし、犬と朝夕二度全速力で歩くようになってまた元の筋力が戻ったが、その二つの意味で老人夫婦の家庭では犬を飼うのがいいと思う。犬をまた飼いだしてからは、犬が必ず何かをしでかし、それだけでもにぎやかになる。僕の住む街でも犬を飼う老人家庭は実に多い。」

中野さんもハラスも今は、北信州須坂のお寺(浄運寺)の墓所に眠っている。ご本人が作った墓誌銘の
表には、「ここに眠るは 中野孝次 中野秀 その愛せし者たち」とあるそうだ。

(追記ザンス)



中ちゃん (2009/11/05 8:57 AM)
これはハンカチが何枚も要りそうだね!

まずは、手許の10冊ぐらいを読んでから
チャレンジしてみます。
しらとも (2009/11/05 11:39 PM)
先日、横浜のシニアフェスタのおやじファッションショーは、「犬とシニア」がテーマ。犬と一緒に散歩するときのファッション提案というものでした。それだけ犬との生活を送る人が増えたということですが、そこで一人のおやじ、「犬とファッションじゃ夢がねえな〜。」、「どうせなら若い女性と歩く時のファッション提案をテーマにして欲しいよ。」とつぶやく。もちろん、横浜市主催でそんなことをテーマにしたら、世の奥様方から倫理観にはずれている!!とクレームが続出なのはわかりきっていますけど。しかし一方で、人生においては夢がないとね、と少々納得させられ、50ingでいつか「若い女性と歩くときのおやじファッションショー」を企画しようと相成りました( ^ー゜)
ザンス (2009/11/06 6:22 AM)
時々おやじと若い女性とで手をつないで歩いているカップル(?)を見ることがある。「まさか、娘じゃないよね?ドーユーご関係??」と聞きたくなる・・。

大抵、おやじはうれしそうだ。・・・

ま、余計な詮索だね。犬連れの方が安心してみていられるけど・・。おやじのファッションなんか誰もも見ないっすよ、ところで。・・・ワンちゃんに服着せるにもあんまりいただけない。(小型犬なんかは冬寒そうだからそれはいいとして・・・)。

(ワンちゃんなら可愛いけど、オヤジは今更ファッションはね。て感じザンス)
ザンス (2009/11/06 6:37 AM)
ところで、本文のテーマから、かくも話題を転換させてしまう、「しらとも」女史の力量に感服!!

(また、乗せられたザンス!!)
ザンス (2009/11/06 7:03 AM)
ま、ハラス・・の場合は、「普通」のワンちゃんと飼い主のどこにでもあるお話です。ただ書評にもあったように一般の人では「こんなに達意の文章で表現できない」のですが、世の中の犬好きの「気持ち」を代弁してくれている本という事でしょう。

そんなのより「若い女性との出会い」に関心がある・・という、まだ枯れてないオヤジは、ウーン、
頑張ってチョーよ。

しらとも (2009/11/06 12:07 PM)
女性の立場からすると、せめておやじにもファッションに気を遣って欲しいと思うものです。娘の立場からしても、父親のファッションには「おいおい・・」と言いたくなる時もある。娘とお出かけするときくらい、もう少しカッコ良くできないものかな・・・^^;と心の中で思っているしらともなのです。しかし、父としてはそれが娘と出かける際の精一杯のおしゃれをしてくれているのだろうと汲み、なにも進言しないでいるのです。

さりげなく服をプレゼントしてみたりして( ^ー゜)

だからこそ!第3者の客観的な立場の人間がこっそり教えてあげることが必要なのではないかと考えてみたりして・・・

おやじが思っているより、娘は、もっとおしゃれをして欲しいと思っているものなのです。
花川戸助六 (2009/11/07 10:52 AM)
以前おすすめの「美しい老年のために」を読みましたよ。
犬の出産にずーと付き添った話がありましたね。
ハラスが親犬ではないかな?

ファッション、苦手ですね。
信州勤務時代はブティック勤務の人にすべて選ばせてたから安心。
自分で買うとなぜか変なものを買ってしまう。
助六なのに裕次郎かドロンかと思ってしまうんだろうね。反省。
ザンス (2009/11/07 11:18 AM)
ハラスはオスです。 二代目がメスで、仔犬が三匹生まれ、そのうちの一匹を手元に置いたみたいです。犬のお産にオロオロする中野さん。ほほえましいですね・・。で、ザンスとしらともさんの会話、なんかすれ違ってますね?最初は「巴投げ」で、次は「猫だまし」かな??華麗なる技の連続だ。

(黒帯ザンス!)
しらとも (2009/11/07 12:31 PM)
くろおび〜!!ウケる〜。゚(。>_<。)゚。

でもちゃんと関連づいてるんザンス。

犬との人生⇒犬と生活するファション⇒犬とオヤジのファッションショー

ザンスさんコメント「おやじのファッションなんか誰も見ないっすよ」⇒ちゃんと見ているザンス⇒もっとおしゃれをしよう!

となっているんザマス。

助六さんは、大学時代は内地のファッションリーダーとしてならしてたって聞きましたよ♪
まあ、ブティックの人にお任せしちゃうってのも賢いと思います。
助六さんは、ちょっと小洒落てるよね。









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